制気口ボックスのサイズを選定する場合、どんな方法があるのでしょうか。
国土交通省から示された例を挙げ、選定の目安をご紹介いたします。
また、保温断熱効果がどのようなものかも紹介し、制気口ボックスについての理解を深めましょう。
制気口ボックスとは
制気口ボックスは五面体や六面体の箱状のダクトでチャンバーボックスとも言われ、室内に空気を取り入れたり外に出したりする制気口の前に置かれます。
ちなみに、制気口は室内に設置される多数の形がある吹出口と室内の空気を外部に放出する吸込口があり、空気の流れによる温度調整などの用途があります。
また、空気の入れ替え部分や空調や換気用に使われるフレキシブルダクトの分岐部分などに設置されることもあります。
亜鉛鋼板製のものや軽量で本体がグラスウール、コーナー部分が亜鉛鋼板になっているものなどがあり、チャンバーボックス付きの制気口が存在するのも大きな特徴です。
サイズはメーカーにもよりますが、大小さまざまで、板厚で多いのは1.2mm、1.6mm、2.3mmで、圧力をかけてせん断するシャーリングやレーザー加工機により薄い鋼板を切断しプレス加工後、溶接で形作られています。
制気口ボックスの役割
チャンバーボックスとも言われる制気口ボックスの役割は、空気の流れを正常に保つことです。
制気口ボックスがないと、ダクト内に生じる気流の乱れを抑制することができません。
ほかには、外部から勢い良く入ってくる空気の音を抑える消音効果がある制気口ボックスもあります。
こういった音が騒音になる場合もあるので、消音効果があれば助かるでしょう。
また、断熱効果と消音効果を兼ねているものもあり、さまざまな点で人々の暮らしや仕事において役立っています。
制気口ボックスの仕組み
制気口ボックスは空調機から送られてくる空気の通り道になります。
送られてくる空気の量を調節してアネモ型吹出口から空気を出し、循環を規則正しい正常なものに保ちます。
このように、天井裏などでアネモ型吹出口と空調機の間を繋ぐのが制気口ボックスです。
制気口ボックスのサイズの選定方法
制気口ボックスのサイズの選定方法は、明確な基準などはなく取り扱う設計業者などに委ねられています。
しかし、天井吹出口によく使われるシーリングディフューザーの制気口ボックスのサイズは、国土交通省により例が挙げられているのでここに示します。
ネック径が200φ以下の場合はW400×D400×h250、ネック径が200φを超えるとW500×D500×h300です。
このサイズ例は制気口ボックスのサイズを選定する際の基準になります。
制気口ボックスのサイズ選定方法の目安
制気口ボックスのサイズ選定方法の目安として考えられるのは、接続口径に150mmほどのゆとりを持たせることです。
もし空調機に使われる制気口ボックスであれば、接続口径に200mmのゆとりがあると良いでしょう。
ゆとりがあれば、取り扱いも楽にでき、空気の循環もうまくいくものです。
しかし、制気口ボックスに使われる器具によっても、どのくらいのゆとりが必要か変わってくるので、業者監修のカタログをよく確認したほうが良いでしょう。
ただ、どんなタイプのものであろうと言えるのは、ダクトよりも制気口ボックスのほうが大きいサイズということです。
これらのことを踏まえて、制気口ボックスのサイズ選定をすれば、的確な制気口を確定できます。
制気口の種類によってサイズを選定
制気口には種類があるので、それらの特徴によってサイズ選定するのも一つの方法です。
まずは制気口の特徴を4種類取り上げて説明します。
1.吹出口に利用されるレジスタ
パンチングリルや羽根つきグリルでスリット型、ユニバーサル型があり、ユニバーサル型は風向調整可能です。
2.線状のシンプルな形になっている直進気流専用のライン
お店などのタバコの分煙に利用されることが多く内部で風の向きを調整できるものもあります。
3.筒状になっているノズル型
二重ノズルやパンカールーバーなど、壁付や天井付、制気口ボックス付きもダクトに直に取り付けたりと用途にて選定可能です。
4.国土交通省が制気口ボックスのサイズ例に挙げている、丸型、角型があるシーリングディフューザー
多層コーンおよびパン型のアネモ型は水平吹出、垂直吹出の風向調整ができ、どちらも天井に取り付けて使用します。
こうしたそれぞれの制気口の特徴に合わせたサイズを選定しましょう。
制気口ボックスの構造
制気口ボックスには空気の入口と出口があり、断熱箱体、補強フレームのほかに防水性の保護部材も備わっています。
そのため、高温多湿の場所でも表面に結露が発生せず劣化や汚れを防ぐことが可能です。
建築チャンバーの構造
建築においては建物そのものをチャンバーボックスとしてみたてる天井チャンバー、床下チャンバーという建築チャンバーがあります。
天井チャンバーの構造は天井内がチャンバーボックスなので、天井面に吹出口が存在します。
一方、床下チャンバーの場合、主に床吹出口により空気調和を行います。
制気口ボックスの保温断熱効果
制気口ボックスは保温断熱効果もあります。
消音効果も一緒にあげられるのは、グラスウールに内貼りタイプの場合です。
外貼りの場合は消音効果は得られず、断熱効果のみになります。
まとめ
制気口ボックスは空気の流れを正常に保つ役割や保温断熱効果があります。
サイズを選定する方法は業者に任せられていますが、目安として接続する口径にある程度のゆとりを持たせることが大切です。