空調設備は、ビルや大型建物の室内の温度を一定に保って快適に仕事をしたり、販売店などの顧客サービスとして快適な買い物環境を提供するためになくてはならないものです。
この空調設備で実際に心地よい温度の空気を各部屋やスペースに提供しているのが、制気口といわれるものです。
事務所やお店で天井などに取り付けられていて、見たことがある方も多いのではないでしょうか。
この制気口は、いろいろなメーカーから形、色などのバリュエーションに富んだものが販売されており、用途も様々です。
今回は、部屋や店内で快適な状態を維持するための結露防止用のカバーについてご紹介します。
制気口の結露の原因
制気口は、心地よい空気を送り出したり、悪い空気を吸い込んだりしていますが、空調設備は主に寒い冬季や猛暑などもある暑い夏季にその機能を発揮してくれます。
そのために、室温と送り出す空気との温度差が大きくなったり、湿度が高くなるときに活躍する場面が多いでしょう。
温度差や湿度が高くなると、室内の湿気を含んだ暖かい空気が冷気と接触した際、制気口に露が溜まってしまう可能性があります。
また、空調設備が必要なマンションなどは戸建ての家に比べると密閉性が高いため、窓面などに結露が生じやすくなっています。
制気口の結露による被害
制気口に露が溜まり結露という状態が発生すると、滴(しずく)となって部屋の中に水が落ちてくることもあります。
あるいは、制気口にカビが生えて、送り出す空気でそのカビ菌が室内に広がり、働く人たちやお店のお客様に健康上問題が生じることもあり得るのです。
そのため、制気口ではこの露のつく現象である結露に対する対策が必要になってくるでしょう。
制気口は、アルミ製が主流になっています。
そのため、熱伝導率の高いアルミはとくに夏季や梅雨時には冷たい空気を部屋に送るため、室内との温度差が大きくなり、吹出口となる制気口には結露が発生しやすくなります。
この結露がしずくとして落ちてくると、部屋を利用する方に不快な思いをさせてしまうため、制気口に結露が発生しないような工夫が必要です。
また、結露が恒常的に発生しますと、カビなどがダクトや制気口に付着し、室内に撒き散らして喘息などを発生させかねません。
制気口の結露は、カバーなどによって防止すべき現象です。
制気口の結露防止カバーの仕組み
熱伝導率は、物質によって違っており、金属よりもプラスチックなどの樹脂のほうが熱伝導率は低い傾向にあります。
家庭用の鍋やフライパンなどは、本体部分は金属ですが、取手の部分は樹脂で覆われているのはこの熱伝導率が低く熱が伝わりにくいためです。
そのため、制気口でも熱伝導率の低いカバーをつけて直接温度差が制気口に伝わらないようにして、結露を防いでいます。
また、樹脂のカバーをつける代わりに、ヒーターを取り付けたり、空気の流れを利用したりしてなるべく制気口と周囲の空気に温度差が生じないようにしている製品もあります。
ただ、いくら樹脂カバーなどをつけても、結露を100%無くすことはできません。
どの結露防止製品にも結露限界性能というものがあり、その限界を越えて温度差が発生したり、湿度が高かったりする場合には、結露が生じることもあります。
制気口の結露防止カバーの選び方(選定基準)
それでは、制気口の結露防止カバーはどのような基準で選べばよいのでしょうか。
価格が安いというだけだは、結露限界性能に問題が出る場合もあります。
実際に選ぶ場合には専門の業者と相談するのがよいでしょう。
選び方1.結露限界性能の高いカバー
制気口の結露防止カバーについては結露限界性能の高い製品を選ぶべきです。
いくら価格が安いからといっても、結露が発生してしまう可能性が高いのでは本来の機能を果たせません。
とくに密閉性の高い部屋の場合には、結露が発生する可能性が高いため、結露限界性能を比較して選ぶのがよいでしょう。
結露限界性能の見方がわからない場合には専門の業者に相談するようにしてください。
選び方2.コストパフォーマンスの高いカバー
制気口の結露を防止するためには、結露限界性能の高いカバーを選ぶ必要がありますが、どんなカバーでも100%結露を防止することはできません。
したがって、一定の結露限界性能の高さを持っていることを条件として、その性能の中でより価格の安いコストパフォーマンスの高い製品を選ぶことが必要になります。
選び方3.室内の雰囲気を変えないデザイン
せっかく部屋やお店の雰囲気にあった制気口を選んでも、カバーがその雰囲気を壊してしまっては意味がありません。
一定の結露限界性能があり、コストパフォーマンスの高い製品の中から、雰囲気を壊さないデザインのものを選びましょう。
おすすめの制気口の結露防止カバー 2選
以上のような制気口の結露防止カバーの選定基準に合致した優良製品を2点ご紹介します。
使われる用途やサイズなどによっても変わってきますが、基本的には利用しやすいものを選びました。
制気口の結露防止カバーといっても制気口自体のサイズや実際の利用状況によって選ぶべき製品が違ってくるため、基本的には専門業者と相談するようにしてください。
1.空研工業株式会社 結露防止カバー型ユニバーサルグリル(シャッター付)
制気口が四角いユニバーサルグリルの場合には、空研工業株式会社の結露防止カバー型がおすすめです。
- 商品名:結露防止カバータイプ ユニバーサルグリル(シャッター付)ND-HS
2.空研工業株式会社 結露防止カバー型線状吹出口
線状吹出口の場合には、空研工業株式会社の結露防止カバーを付けることでかなりの結露を防止することができます。
また、タイプによっては、吹出口をヒーターで温めることによって、高温多湿の沖縄などでも結露を防ぐようになっています。
- 商品名:結露防止カバータイプライン(ND-VTL型)
空研工業株式会社では、カバーの構造、機構など国際・国内でこれまで14件の知的財産権を持っており、さまざまなご相談にお応えできます。
まとめ
空調設備が実際のお部屋に心地よい空気を送り出す制気口には、アルミ製が多いこともあって、温度差から結露が生じる場合があります。
この結露が生じますと、しずくが落ちてきたり、カビが発生したりするなど、お部屋の快適さを阻害する原因になってしまいます。
そのため、通常は制気口には結露防止カバーが取り付けられます。
ただ、結露防止カバーといっても100%結露を防止することはできませんので、結露限界性能が高く、コストパフォーマンスの高い製品を選ぶ必要があり、それにマッチした製品をご紹介しました。
実際の結露防止カバーを選ぶ際には、空研工業株式会社にぜひご相談ください。