空気の循環をするには外気を取り入れ、循環後の不要な空気を屋外に排出することが必要です。
その役割を担うのがガラリです。
制気口のガラリの役割とは
ガラリは一般的に外壁に設置され、OAガラリとEAガラリに分かれます。
OAガラリは新鮮な空気を室内に取り入れる、空気の入り口の役目を果たします。
EAガラリは、室内を循環後、不要になった空気を屋外に排出する、出口の役割を担っています。
同じ様な役目で、厨房やトイレの排気を行う、50φ~350φのサイズのベントキャップという商品もあります。
ここでは、ガラリについて説明します。
屋外用として力を発揮するガラリですが、ガラリにはブラインドのような板(羽根)がついています。
この板が雨水などの侵入を防いでくれるのです。
制気口のガラリの種類
さまざまな種類があるガラリ。
設置場所の状況に合わせて選びましょう。
ここでは、ガラリの種類を紹介していきます。
種類1.ガラリの材質
ガラリには大アルミ製あるいはSUS製が多く用いられています。
設置場所はほぼ外壁となるため、対候性を考慮しています。
塗装する場合は対候性のある塗料を用いますが、デザイン性を持たせるためほぼ希望通りの色を選択することも可能です。
種類2.羽根の形
一般的には横方向に羽根は入ります。雨水等の侵入を極力抑えるのに有効です。
羽根の形状もメーカーによって様々ですが、開口率等を考えて選定することが必要です。
種類3.そのほかのガラリタイプ
一般的にガラリは角形ですが、設置する環境下によって使い分けることができます。
ここでは変わったタイプのガラリを紹介しましょう。
フード付きガラリ
工場などでよく見られます。
ガラリの外にウェザーカバーをつけたタイプです。
フードがあることから、横方向から降る雨や強風などの厳しい天候にも対応できます。
ダンパー付きガラリ
空気の流れを遮断する機能があるタイプです。
溶解ヒューズにより、ヒューズが溶けることで遮断する『防火タイプ』、空気を取り込む際の圧力に反応する『逆風防止タイプ』があります。
可動式ガラリ
空気の出し入れを調節できるタイプです。
調節できるため、状況に合わせた環境下で使用できます。
フィルター付きガラリ
その名のとおりガラリにフィルターが付いたタイプです。
羽根だけでは雨水や大きめのゴミなどしか防げませんが、フィルターによって細かいちりやゴミなどの侵入を防ぐことができます。
しかし、フィルターに汚れが溜まるで定期的に掃除・交換が必要です。
制気口のガラリの選び方(選定基準)
ガラリにも適した場所があるため、適したものを選ぶことが大切です。
これから紹介するガラリの選び方を参考に、ふさわしいガラリを選定してください。
選び方1.必要な風量を知る
空気の排出する役割のある外壁に設置するガラリですが、風量が大きくなると騒音に発展することもあるため、風量を知ることは大切です。
有効開口面積に風速をかけると風量を出すことができます。
『風量(m3/h)=有効開口面積(m2)×風速(m/s)×3600(m/h)』
風速は測定器を使い、風の通り道より風速を測定するといいでしょう。
より正確に風量を測定することができます。
ただし、有効開口面積は制気口の種類によって異なります。
また、排気部分として使うガラリの推奨風速は4.0m/s以下となっていますので、風速と風量の合うように設置面積を決めましょう。
選び方2.設置場所の環境を知る
外壁に取り付ける場合、まず一番気になるのが雨や風、ほこりなどです。
そのため、設置場所の環境下を確認しましょう。
まわりにビルなどがない建物は雨や風などに晒されやすいため、開口率が高いガラリの使用は意味がありません。
また、制気口から出る音が騒音の原因にもなりますので、低騒音などの騒音対策がされたガラリを選ぶようにしましょう。
選び方3.羽根のタイプを決める
外壁に取り付けるガラリは羽根の向きが肝心です。
羽根の向きによって雨などの侵入を防ぐことができるため、どのタイプの羽根のものがいいのか決めましょう。
羽根のタイプと同様に、素材も確認してください。
外気に触れる時間が長いと素材によっては風化し、そこから雨漏りなどの原因になります。
そのため、浸食性の強い素材や加工されたガラリにしましょう。
まとめ
空気の出し入れを行う役割としてガラリは大切です。
ガラリがなければ、汚染された空気が室内を循環するため、人体やものなどに被害が出てしまいます。
また、コロナウイルスが蔓延している今、空気の循環は必要不可欠です。
その良さを発揮するため、ぜひこの記事で紹介した選び方を参考にして適切なガラリを選定してください。