室内の空気は窓を開けたり、換気扇を付けるなどして空気を循環させることで清潔さを保っています。
空気の循環ができない場所でも、制気口を設置することにより空気の出し入れが可能です。
そんな制気口を扱っているメーカーはたくさんあります。
メーカーによって、同じ制気口であっても特長が異なることもあります。
ここでは、制気口を取り扱うメーカーの一覧とおすすめの制気口をまとめてみました。
制気口(吸込口・吹出口)とは
制気口は、室内空間に適した空気を出し入れしてくれる製品です。
総称として制気口と呼ばれますが、吸込口や吹出口、給気口や排気口などが含まれます。
窓や換気扇と同じ働きをするのが制気口ということです。
病院や美術館などの窓を開けられない空間、密閉された会議室などでは、空気の入れ替えをしたくてもすることができません。
また、単純に空気の入れ替えをしてはいけない空間もあります。
そのような場所で制気口は活躍するのです。
制気口といってものデザイン性や機能性、カラーなどはさまざまです。
設置する場所に適したものを設置することで全体的なコーディネートができます。
制気口を取り扱うメーカー一覧
制気口(吸込口・吹出口)を取り扱うメーカーを一覧にしました。
制気口を選ぶ際の参考にしてください。
- 空研工業株式会社
- フカガワ
- 協立エアテック株式会社
- 株式会社ASTEM
- 檜工業株式会社
- 協同工業株式会社
- アスカコーポレーション株式会社
- 株式会社 有馬工業所
制気口の種類
制気口には風の流れ方が大きく2種類、軸流吹出口と、ふく流吹出口があります。
軸流吹出口は、一方向に気流が吹き出されているものです。
一方向であるため空間に届く距離が長くなり、天井や壁に設置するタイプに向いています。
該当種類:ライン型、ノズル型、ユニバーサル型
ふく流吹出口は、円を描くように気流が吹き出されているものです。
円を描くように吹き出されることから周りの空気も誘引するので、軸流吹出口に比べると空間に届く距離が短くなります。
該当種類:シーリングディフューザー
それぞれの制気口の特徴を見ていきましょう。
種類1.ライン型
ラインのように細長くスタイリッシュなデザインがほとんどです。
そのため、天井用として使われますが、とくに空調管理が難しいペリメータに起用されることが多いです。
種類2.ノズル型
到達距離が一番大きくなっています。
そのため、大きく広い空間(ホール・劇場など)の天井や壁に設置して使われることが多いです。
種類3.パンカー型
ノズル型の中のひとつです。
風量や気流の方向を変更することができるため、スポットとして使われます。
種類4.ユニバーサル型
吹出口以外にも、換気用の吸込口としても使用できる多様性の制気口です。
羽根の種類が豊富な上、角度を自由に変えることができるので好きなように気流の拡散を調節することができます。
種類5.シーリングディフューザー
シーリングディフューザーはアネモ型とも呼ばれます。
シーリングディフューザーには丸形と角型があり、さらに多層コーン型とパン型に分かれます。
多層コーン型は誘引が大きく、拡散範囲も大きいです。
パン型は誘引が小さいですが、空間に届く距離は多層コーン型より長めになります。
制気口の選び方(選定基準)
次は制気口の選び方について紹介します。
設置する場所に適した制気口をつけなければ、空間全体の空気を循環させることができませんので、ぜひ参考にしてください。
選び方1.風量を決める
室内の広さによって、推奨する風量は異なります。
風量を誤ると騒音に繋がるため、快適な暮らしのノイズになってしまいます。
基本としては、吹出風速は3.0m/s程度、ネック風速は4.5m/s程度が推奨されているため、この範囲で決めることが多いです。
設置場所の細かい推奨風速は下記のとおりになります。
- 放送局、スタジオ:1.5~2.5m/s
- 劇場、教会、ホテル、高級事務所:2.5~3.0m/s
- 個人事務所:4.0m/s
- 映画館:3.5m/s
- 一般的な事務所:4.0~4.5m/s
- 百貨店(2階以上):4.5m/s
- 百貨店(1階部分):5.0m/s
風速は下記の計算式で求めることができます。
『風速(m/s)=風量(m3/h)/有効開口部面積/開口率(%)/3,600(s)』
必要風速から、必要な個数やサイズが正確に決められます。
特殊な計算式になりますので、施工会社に見積もりを出す際に一緒に計算してもらうといいでしょう。
選び方2.風の広がり方を確認
制気口によって空気の広がり方は異なります。
もし、空気の広がる部分が重なってしまうと不快な気流が生まれてしまうため、必ず確認しておきましょう。
選び方3.空気が届く距離を確認
吹出口から出た空気は室内の空気を循環させなければなりませんが、届くまでには距離があります。
もし空気の届く速度が異なるものを設置してしまえば、不快感を与えてしまうので注意が必要です。
基準として、気流の場合は0.5m/s以下となっています。
おすすめの制気口 3選
ここからはおすすめの制気口を紹介していきます。
どのメーカーもさまざまな種類の制気口を製造・取扱しているため、上記で紹介した選び方を参考に適した制気口をお選びください。
メーカー1.空研工業 タスクアンドアンビエント一体型空調吹出口 TAAC2・TAAC4
ひとりひとりに合った気流を届けることができるTAACシリーズ。
飛行機や新幹線で見かけるデザインの吹出口であることから、これだけでオシャレ感があります。
風量や風向きなどを計算しても快適・不快な場所は出てしまうもの。
その上、全体的に快適にしようとするならばそれだけ電力を消費することにも繋がり、エコ環境ではなくなります。
ひとりひとりに合った気流を届けることができるよう、3パターンになっています。
これによって快適な空間へと変身することが可能です。
メーカー2.檜工業 木製制気口シリーズ
温もりが感じられる木製制気口シリーズ。
木製制気口は3種類あり、針葉樹(スプルース)、檜、杉です。
木材は自然吸収・放出をするため、湿気による不快感を取り除き、結露防止にもなります。
香り良く、デザイン性にも優れているためおすすめです。
木製制気口は、ユニバーサル型(H・V型、VH・HV型、H/F・V/F型、VH/F・HV/F型)、吸込口(GV・GH型、GH/F枠・GV/F型)、ライン型(BL型、CL型)アネモ型(E2型・PE型)です。
メーカー3.協立エアテック 無結露・汚染防止型アネモ 多層コーン型可動式
世界初である特殊気流によって無結露・汚染防止できる制気口。
外気に触れやすい環境や高温多湿の地域では、いくら対策しても難しいことがあります。
結露が遮断された制気口を設置することで、結露水の落下を防げたり、シミなどの見た目の悪さを回避できたりすることができます。
多層コーン型になっているため、大きく広い空間でも十分に気流を送り届けることができます。
音も静かに運転するため、騒音になることはありません。
まとめ
普段何気なく目にする制気口ではありますが、室内で快適に過ごせるのは制気口のおかげといっても過言ではありません。
しかし、同じ種類の制気口であってもメーカーによって特色やこだわりもあります。
今回紹介したメーカーの中から比較し、設置する場所に合ったものを選定してください。