空調設備がビルや大型建物の各部屋を快適な温度に保つためには、制気口といわれる空気の吹出しや吸込みをする設備が必要です。
本記事ではその中でも、フィルター付の制気口についてご説明します。
フィルター付制気口とは
制気口の吸込口からは室内の空気が吸い込まれて、空調設備から送り込まれる冷えた空気や、暖められた空気が吹出口から出てくる仕組みになっています。
吸込口には室内の汚れた空気が吸い込まれます。
最近では少なくなったものの、タバコの煙も吸い込まれます。
また、新型コロナウイルスなどによって話題になっている私たちの口などから撒き散らされる飛沫などは空中を浮遊することがあり、これらも吸込口に吸い込まれるのです。
室内の塵埃などがダクトから空調機器に直接吸込口から吸い込まれると、設備機器に付着して機器の寿命を縮めたり、故障を起こしたりしてしまいます。
そこで吸込口では、フィルター付きの制気口が販売されているのです。
制気口のフィルターは、ちょうどキッチンなどの換気扇吸込口に油などを吸い込まないようにフィルターを付ける仕組みと似ています。
制気口にフィルターを付けることによって、室内の汚れた空気から汚染物質などを取り除き、ダクトや空調設備の汚れや寿命を守ってくれるのです。
メッシュになった細かい繊維を利用したシートなどが吸込口の内部などに取り付けられており、空気は通しますが塵埃などの物質はそのシートに付着させて通さないようにしています。
フィルター付制気口の選び方(選定基準)
フィルター付制気口は各社から販売されていますが、その製品の中からどのような制気口を選べばよいのでしょうか。
選定基準として覚えておくべき点について3つご紹介します。
選び方1.空気の汚れの遮断機能
フィルター付制気口の目的は空気の汚れを遮断することです。
したがって、部屋の空気の汚れ状況によって、その遮断機能を選ぶ必要があります。
かつては、事務所などでは自由にタバコなどを吸えたため、タバコの煙に含まれるニコチンなどのヤニが一番の遮断目的になっていましたが、最近では室内での喫煙は禁止されている事務所がほとんどになっています。
そのため、フィルターの役目は、タバコの煙に含まれる成分よりも花粉や埃を遮断する機能が求められています。
選定の際は花粉や埃を遮断する機能が高いものを選ぶ必要があります。
選び方2.ダクトや空調機器の機能維持のため
空調機器は、汚れなどが付着して溜まった場合、その機能である冷房、暖房ができなくなる場合があります。
また、空気を運ぶダクトなどが汚れてしまうと新鮮な空気を運ぶことができなくなります。
これらの機器やダクトに大敵なのは油質の汚れです。これらはほかの汚れを容易に付着させ、時間が経つと固形化して機器の動きを阻害してしまいます。
そのため、とくに油質の遮断機能の高いものを選ぶ必要があります。
選び方3.殺菌作用
今回の新型コロナウイルスで注目されているのは、殺菌作用です。
私たちも、外出後には手洗いや消毒による殺菌が求められています。
新型コロナウイルスも飛沫と一緒に吐き出されて、壁やダクトなどに付着した場合、数時間は生きているといわれています。
そのため、吸込口のフィルターでそのウイルスを遮断しても数時間は生きているため、それらのウイルスを殺菌する機能がないと、部屋に舞い戻ってしまいます。
また、フィルターがなければ、ビル外に放出されてしまいます。
その意味で、殺菌作用のあるフィルターが効果的です。
おすすめのフィルター付制気口 3選
ここでは、ここまで述べました選び方を踏まえて、おすすめのフィルター付制気口をご紹介します。
なお、フィルター付制気口の選定については、専門的な知識も必要になるため、専門の業者にご相談されるのがよいでしょう。
1.協立エアテックユニバーサルグリル/レジスター(フィルター組込型吹出口)FTS-VH-S
制気口がユニバーサルグリルのレジスタータイプの場合には、この協立エアテックのFTS-VH-Sがおすすめです。
吹出口用とはなっていますが、吸込口としても使用可能で、中枠の着脱がワンタッチでフィルター交換が簡単です。
参考価格:協立エアテックFTS-VH-S 22,900円~
協立エアテックスリット型吸込口(フィルター付)GV(GH)-FR-F
制気口がスリット型の場合には、この協立エアテックスリット型吸込口がおすすめです。
騒音が少なく、広く一様に吸い込んでフィルターで塵埃を捕集してくれます。
参考価格:協立エアテックGV(GH)-FR-F 12,900円~
2.空研工業株式会社のフィルター付制気口
空研工業の制気口は、特定のものだけでなく、さまざまな種類のフィルター付制気口を取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
フィルター付制気口は空調設備やダクトを長持ちさせ、お部屋を健康的な環境に維持するために必要になるものです。
さまざまな製品がありますが、その中からおすすめの製品をご紹介しました。
空調設備において実際に空気を送り出したり、吸い込んだりする制気口、とくに吸込口ではフィルター付の製品をおすすめ致します。